脳トレ関連の話題でよく見かける「ワーキングメモリ」という言葉。
認知症予防のためにもワーキングメモリは鍛えた方が良いとは言われますが、そもそもワーキングメモリとは何なのでしょう。
どういった機能なのか、どうすれば鍛えることができるのか、今回はワーキングメモリについてまとめてみました。
ワーキングメモリとは
ワーキングメモリとは情報を一時的に記憶して、その情報を行動や作業に使う力のことです。
例えば次のような計算を暗算で行うとします。
2 + 3 + 9 = ?
この問題では、まず左端から「2 + 3 」を行い、その計算結果である「5」を一時的に覚えておき、次の「9」と足して「14」の答えを出すことができますね。
このように一時的に答えを覚えておいて、次の数字とたし算をする、これがワーキングメモリーを使った作業ということになります。この例を見ると単純な記憶の機能に見えますが、私たちは仕事や家事など日常生活の様々な場面で意識せずワーキングメモリを使っているのです。
【料理をするとき】
材料を順番に用意したり、調理方法を判断するのにワーキングメモリを使います。
【運転をするとき】
交通ルールに従って状況を判断したり、歩行者の動きを把握したり、車の動きをコントロールするのにもワーキングメモリが必要です。
【会議に参加するとき】
議論の内容を理解したり、自分の意見を述べたりすることにもワーキングメモリを使っています。
脳のどこが働いている?
脳の中でワーキングメモリを担当しているのは「前頭葉」という脳全体の司令塔のような部分です。
前頭葉は考えたり創造したり、感情をコントロールしたりコミュニケーションしたりやる気を出したり・・・人間が人間らしくあるための働きを多く担っています。
人間らしい生活を営むために重要な前頭葉ですが、残念なことに脳の中で老化によって最も早く衰える部分と言われています。
「認知症で性格が変わってしまう」という話をよく聞きますが、これは前頭葉が萎縮して思考や感情のコントロールがうまくいかなくなるからなのです。
前頭葉が衰えるということは、ワーキングメモリが低下していくということでもあります。
逆に言うと、ワーキングメモリを鍛えるトレーニングをすると前頭葉が活性化されるということです。
人生を健やかに生きていくためにも、できるだけ前頭葉の機能を維持していきたいものですね。
ワーキングメモリが衰えるとどうなる?
ワーキングメモリは加齢や脳の病気、睡眠不足などで衰えてしまいます。
日常生活の様々な場面で使われるワーキングメモリだけに、やはり様々な場面で困り事が増えてしまいます。
- 忘れ物や物を無くす事が増えてしまう
- 買い物に出かけて何を買うか忘れてしまう
- 会話の中で人の話を覚えられない
- 物事に集中することが難しくなる
ワーキングメモリの衰えを防ごう
ワーキングメモリのトレーニング
ワーキングメモリの衰えを防ぐには脳を鍛える事です。
具体的には次のようなことがワーキングメモリのトレーニングになります。
- 計算や暗算、パズルなど脳トレをする
- 塗り絵をする
- 音楽を聴いたり演奏する
- 音読をする
- 新しいことを学ぶ
当サイトでもワーキングメモリのトレーニングに使えるプリントを配布しています。印刷して使えるのでよかったら試してみて下さいね。
ワーキングメモリを鍛えて能力アップ
ワーキングメモリを鍛えることで能力がアップし、生活の質を向上させることができます。
まとめ
今回はワーキングメモリについてお伝えしました。
簡単にまとめると
・ワーキングメモリとは情報を一時的に記憶して、その情報を行動や作業に使う力のこと。
・脳の前頭葉がワーキングメモリを担当している。
・ワーキングメモリ(前頭葉)が衰えると生活の中で困り事が増えてしまう。
・脳トレなどでワーキングメモリ(前頭葉)を鍛えることができる。
・ワーキングメモリを鍛えることで生活の質の向上が期待できる
ワーキングメモリを鍛える事は認知症の予防にもなり、より豊かで充実した人生につながります。
日常生活に脳トレを取り入れ、意識的に脳を活性化させていきましょう。
脳トレプリントのダウンロード
ワーキングメモリのトレーニングに使える脳トレプリンは下記のリンク先で配布しています。
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